タランチュラとは?画像アリ:種類・毒性・寿命・天敵・飼育について

タランチュラ

タランチュラ

タランチュラと聞くとどんなものを連想しますか?実物のタランチュラを見たことが無い方はおそらく「毛むくじゃらの人殺し毒蜘蛛」とかそれに近いものを思い浮かべると思います。

しかしながらそのイメージは映画の話で、実際はそんなに強烈な毒をタランチュラは持っておらず、日本でも特別な許可なくペットとして飼育することが可能です。今回の記事ではタランチュラについて私なりに書こうと思います。

タランチュラとは?

タランチュラとはオオツチグモ科に属するクモの俗称です。世界に約900種生息するとされており、世界最大といわれるクモもこのオオツチグモ科の中に含まれています。

タランチュラの生息地

チャコジャイアントゴールデンストライプニー(Grammostola pulchripes)

チャコジャイアントゴールデンストライプニー(Grammostola pulchripes)

温帯・亜熱帯・熱帯地域に広く分布しています。砂漠のようなカラッカラなところから熱帯雨林のジメジメした環境まで幅広く進出しています。

 

タランチュラの食べ物

主に昆虫・節足動物を食べています。 より大きい種は小型の爬虫類やげっ歯類を捕らえて食べているといわれています。

飼育下ではコオロギやゴキブリ・ミルワームなどがメインの餌としてよく使われています。以下の記事でまとめています。

飼育しているタランチュラに与える餌: 与える頻度・種類・絶食した場合について~

タランチュラは食用としても販売されている

タイやカンボジアなどの市場では油で揚げられたタランチュラが販売されています。味はエビやカニのようだと言われています。

現地に行かなければ口にすることができないというわけではなく、最近ではタランチュラを缶詰にした商品が販売されているので日本でも食べることができます。十分に加熱処理され、塩で味付けもされているので興味のある方はリンク先を覗いてみてください。

タランチュラの種類

タランチュラは以下のリストのように生息地や生活様式で4つのタイプに分類されています。

  • アメリカ大陸の地表性種をバードイーター
  • アジア地域の地中性種をアースターガー
  • アフリカ大陸のタランチュラをバブーン
  • 樹上性のタランチュラをツリースパイダー

 

定義が曖昧な種もいるといえばいるのですが、便宜上このように分けられています。

 

バードイーター

Brachypelma emilia メキシカンレッドレッグ

Brachypelma emilia メキシカンレッドレッグ

アメリカ大陸に生息する地表性の種がバードイーターと呼ばれています。腹部に生えている刺激毛を脚で飛ばしてくる種が多いです。

 

他のタイプのタランチュラと比べおとなしい種が多いのですが、扱いにくい奴もいます。初めてタランチュラを飼育するならばこの中から選ぶのがオススメです。

 

アースタイガー

コバルトブルータランチュラの巣穴(飼育下)

コバルトブルータランチュラの巣穴(飼育下)

アジアに生息する種の中で、地中または半樹上性の種がアースタイガーと呼ばれています。性質が荒い、地中性の種が多いです。

 

コバルトブルータランチュラは青くて綺麗ですが扱いが大変なので初めて飼う場合は覚悟が必要です。この画像のコバルトブルーは脱皮して時間が経ってるのでくすんでいますけど。

 

バブーン

アフリカに生息するタランチュラはバブーンと呼ばれています。バブーンの多くは、地中深くまで穴を掘って暮らしています。

 

外見はたくましい種が多いイメージ。毒が強めの物や動きが俊敏なものもいるので、よく考えて飼いましょう。

 

ツリースパイダー

アンティルピンクトゥー Caribena versicolor

アンティルピンクトゥー Caribena versicolor

樹上性の種はツリースパイダーと呼ばれます。一部例外がありますが、そういうのは専門書を読みましょう。

 

綺麗な種が多いです。毛を飛ばしてくる種もいます。

中でもアンティルピンクトゥは幼体・成体ともに目を見張る美しさです。

青い色をしたタランチュラもいる

コバルトブルータランチュラやグーティーサファイアオーナメンタルなどが有名です。なぜこのような体色をしているのか詳しくは分かっていません。

 

タランチュラは脱皮する

タランチュラの脱皮殻

タランチュラの脱皮殻

タランチュラは脱皮を繰り返して成長します。脱皮するときは仰向けになります。

体が固まるまでに数時間から数日かかるので、タランチュラにとってこの脱皮は命がけです。

 

タランチュラの寿命

Chromatopelma cyaneopulescens 雄

Chromatopelma cyaneopulescens 雄

タランチュラの寿命は種類によって異なります。タランチュラの寿命は短くて数年・長いものだと数十年生きる種もいるといわれています。

 

細かな年数についてはよく分かっていない種が多いです。何十年と生きる種類もいるので調べきれていないというわけです。

タランチュラは雄の寿命が短い

成熟にかかる年数は種類によって異なりますが、雄の方が早く成熟し、成熟後数ヶ月から1年前後で寿命が終わります。

 

一方、雌は種類によって違いますが、成熟後数年から数十年も生きる種もいます。

タランチュラの毒性

気になるタランチュラの毒についてです。私たちは毒という言葉に反応してしまいますが、彼らの餌を食べる時に必要な消化液でもあります。

 

こういうのはね、お医者様だったりその道の研究者が説明した方が納得感あるんですよ。私が書いても信頼性がほぼ無い。

 

というわけで日本語で解説されているPDFへのリンクを貼ります。タランチュラの関連度が深い順に並べています。

タランチュラに猛毒はない

クモの毒を科学する

昆虫毒と質量分析

 

タランチュラトキシンについて

タランチュラトキシンという毒成分について解説しているサイトがありますけど、あれは恐らくtarantula toxinの誤訳です。

そんな毒はなくて「タランチュラの毒素」という意味です。

タランチュラの牙

タランチュラの牙

タランチュラの牙

タランチュラの牙は硬いです。まるでピッケルみたいですよ。

そりゃあ獲物に突き刺さるわなといった感じです。ちなみに脱皮殻についた牙も硬いです。

 

タランチュラに咬まれるとこの牙から毒が入ります。

噛まれたときに入る毒で死亡する確率は非常に低いと考えられていますが、噛まれると痛いのは確実なので注意しましょう。

タランチュラの毛

Nhandu tripepii ブラジリアンジャイアントブロンド

Nhandu tripepii ブラジリアンジャイアントブロンド

一部のタランチュラが持っている毒毛(刺激毛)は、皮膚や粘膜に刺さった場合、痒みや痛みを引き起こします。

タランチュラの毒毛 (刺激毛)について。どれ位かゆい・痛い?という記事ではもう少し詳しく説明しています。

タランチュラの天敵

クモってどちらかというと狩る側のイメージでしょ?でもねそんな彼らでも狩られる側でもあるんです。そういう動画。

Tarantula Hawk vs Tarantula

襲っているハチはPepsis属のなんかです。タランチュラに寄生するハチで、タランチュラホークと呼ばれています。青くてデカくて飛ぶ。最高。

 

針で刺してタランチュラを動けなくした後に、卵を産み付けます。タランチュラの体の中で幼虫が成長し、羽化した時に出てきます。

 

ちなみに人がこのハチに刺されても物凄く痛むみたいです。刺されてすぐに患部が発熱し、時間が経つと水ぶくれのように膨れ上がります。

 

タランチュラは飼えるの?

猛毒を持っているイメージが定着しているので、タランチュラを家で飼うことができないと思うかもしれませんが、日本でも特別な許可なくペットとして飼育することが可能です。

 

タランチュラを飼育する前に

タランチュラの飼育は基本的には容易です。また、種類や飼い方にもよりますが小さ目の飼育容器で飼えますし、一部の爬虫類のように紫外線ライトの必要が無いので飼育自体のハードルも結構低いと思います。

しかしタランチュラの毒によって人が死亡するという報告がされていないにせよ、有毒であるということに変わりはありませんし、種類によっては瞬間移動をしたかのような高速移動を行うことができる蜘蛛もいます。

また、このクモに対する世間が抱いているイメージは先述のとおり恐ろしいもので、誤って脱走されて第三者に見つかった場合は報道物の騒ぎになってしまいます。それ故取り扱いには厳重な注意をせねばならないため、おもちゃを買うような感覚で気軽に飼育しはじめることは避けた方が良いと思います。

 

タランチュラは共食いする

基本的に1つのケースに1匹しか飼育できません。肉食なので複数入れた場合は共食いして数が減ります。産卵して増えた場合は複数匹まとめて飼うこともあるようですが、共食いや餌を上手く取れない個体が少なからず出てくるようです。

 

タランチュラ飼育の注意事項

①素手で取り扱わないこと

タランチュラの牙で噛まれ、毒で死亡する確率は非常に低いと考えられていますが、きっとたまらなく痛いです。

噛まれたことがないのであまり書くことないのですが、あの牙を見ればだいたいどうなるか分かると思います。というわけで、給餌・引っ越しをするときは素手で扱わずにピンセットを使用します。

 

基本的にタランチュラの方からこちらを攻撃してくることはないのですが、心配な方は万一咬まれたときに傷を浅くするために手袋をつけることをお勧めします。一部のタランチュラがくりだしてくる刺激毛もある程度防げます。

 

タランチュラの刺激毛については以下の記事で簡単に紹介しています。↓↓

タランチュラの毒毛 (刺激毛)について。どれ位かゆい・痛い? – ムシクイアナ

 

ついでなので、噛まれないようにするポイントも。

ハンドリングしない・嫌がることをしない・給餌や引っ越しの時に注意する。の3点だと思います。扱い方は飼育経験を積んでいけば次第に自分流のやり方が身についてくると思います。


Poecilotheria metallica transfer – BEST ARBOREAL ENCLOSURE design

タランチュラの扱い方についてはYoutubeなどで「tarantula transfer」と検索すると参考になるものが出てきます。参考までに一つ貼り付けておきます。

②タランチュラに脱走されないこと

外国から輸入された生き物なので基本的に脱走させてはなりません。加えて、前述の通りの評判なので、絶対にあってはなりません。タランチュラが脱走(捕獲されたら)したらどうなるのか、という例を紹介するためリンク掲載しておきます。

鹿児島大学で毒グモ“タランチュラ”捕獲|日テレNEWS24

 

③飽きるかもしれない。

順番間違えたなと思ったですが、タランチュラって地中に引きこもったまま滅多に姿を現さない種類もいるんです。そうなると土を飼っている感覚になるのでそういうのが苦手な方は入念に下調べをして飼育する種類を選ぶといいと思います。

 

ちなみに、タランチュラはなつきません。長く買うと覚えてくれたり、噛まなくなるということはありません。この点については以下の記事で紹介しています。

タランチュラは人になつく?に対する答え。

 

飼育するタランチュラの選び方

タランチュラは野外採集品も多く販売されていますが繁殖個体も多く出回っています。幼体の値段は1000円~数万円、条件によっては10万円を超える種類の幼体が出回っています。成体は幼体の時よりも高くてだいたい5~10倍くらいします。

初めてタランチュラを飼育する方には飼育下繁殖個体(CB)からの飼育をお勧めします。理由は値段のこともありますけど、小さい個体から始めた方がタランチュラの動きに慣れていきやすいからです。それにはじめから大きな個体を扱うのは勇気がいると思いますし、脱皮の間隔が長くなりがちなので飼育している実感が湧きにくいです。

成体の画像は学名をグーグルで検索すると確認できることが多いです。 場合によっては幼体・亜成体時代の画像も見ることができます。ただ、贔屓目に写している写真も混じったりしているので過度の期待は禁物です(笑)。

こんな感じで画像・飼育情報を確認して、ベビーを購入して育てるのがオススメ。非常に多くの種類が出回っていますので長く楽しめる趣味だと思います。綺麗でも安い蜘蛛も多くいるのではじめは迷うかもしれません。

 

タランチュラの飼育に必要な物

タランチュラを飼育するために特別な器具などを用意する必要はありません。容器・床材・水入れ・保温器具があれば飼育することが可能です。隠れ家はあってもなくてもいいと思いますが、私は入れています。

植物を入れて生息地を再現したテラリウムを作ったり、レイアウトして飼育する方法もありますがこの記事が長くなりすぎてしまうので割愛します。最低限必要な道具のみ紹介します。

飼育ケース

個人的に1番お勧めなのが昆虫飼育容器です。特に加工する必要がない・通気がいい・安い・中身が見えるというのがメリットです。見た目を気にする方は爬虫類用のケージで飼育するとよいかもしれませんが値段が高いのと重いです。

樹上性のタランチュラを飼育するには、高さのある飼育容器が必要です。樹上性タランチュラの飼育に使えそうな容器を見つけた。という記事では樹上性のクモでも安くて観察しやすい容器を紹介しています。

タランチュラ飼育に使う床材

タランチュラ飼育でつかう床材は、バーミキュライト・ピートモス・赤玉土・腐葉土・砂・ヤシガラなど色々ありますが、飼育するタランチュラの種類によって向いている物が違います。園芸店でほとんど入手することができます。床材を敷く厚さ・好みの湿度は種類によって違うので調べてください。ちなみにタランチュラの床材を自分で配合するよという記事でオリジナル床材の配合と各床材の使用感について書いています。

水入れ

タランチュラ 水入れ

タランチュラも水を飲みます。思ってるより飲みます。水入れは溺死防止のためクモより小さくて、浅いものを選びましょう。ペットボトルの蓋とか使ってます。成体だとたまにひっくり返してしまう個体がいるので重いものを使うと防止できます。成長して大きくなってくると水入れを床材で埋める個体も出てくることがあるのですが、それの対処法はまだ思いついていません。

ヒーター

日本の冬はタランチュラにとって寒すぎます。保温しないとコロッと死にます。

なので、爬虫類ショップで売られているヒーターをケースの下か横に張り付ける必要があります。暑すぎたらマシな所に移動できるようにするために容器全体を暖めるのではなく、容器の3分の1~半分位にしておきます。ヒーターはピタリ適温がオススメ、というかタランチュラにはこれしか使ったことないです笑。

 

ただこれだと1ヒーターに付き1,2個体しか飼育できないんですよね。私は発泡スチロールで簡単な温室を作って、その中で高温を好むタランチュラを飼育しています。以下の記事で作り方を紹介しています。

簡単温度管理~ピタリ適温と発泡スチロールで簡易温室を自作

ほとんどのタランチュラは25-28℃位で飼育していればOKです。もちろん低温・高温を好む種類もいますし、最適な温度は種類によって違っていますので、その辺は調べる必要があります。

タランチュラの隠れ家

あってもなくてもいいと思いますが、私は入れています。

小さいうちはよく隠れています。デュビアを与える時は隠れ家に向かって放り込んでいます。

霧吹き

ケースの中が乾いてきたときに使います。蜘蛛に直接かけると嫌がるので空いてるところに吹きかけます。また、水入れの水がなくなった時にも使ってます。

温度計

部屋の場所によって温度が違っている場合があるので、小規模飼育の場合は移動しやすいものが1個あれば十分だと思います。季節の変わり目に重宝します。あまり長い間タランチュラを不適切な温度に晒していると拒食したり最悪死亡します。

ピンセット

タランチュラ ピンセット

給餌・タランチュラを移動させるときに使います。

色んなサイズ、形状の物を取り揃えておくと色々便利です。

先が丸くて長めの物がいいと思います。これは必須。

タランチュラの餌

コオロギとかレッドローチで大丈夫です。肉類を与える場合もありますが、あまりメリットを感じません。どうしようもないときの非常食って感じです。私がよくタランチュラに与えている餌用昆虫の飼育方法の記事を3つ掲載しておきます。

コオロギの飼育・繁殖方法

餌として優秀!レッドローチの特徴・お手軽飼育・繁殖方法

自家繁殖可能!デュビアの飼育・繁殖方法!床材や温度、餌について~

 

タランチュラに餌を与える頻度や拒食については以下の記事で簡単にまとめています。

飼育しているタランチュラに与える餌: 与える頻度・種類・絶食した場合について~

終わりに

この類の生物は好きな人がこっそり部屋で愛でていればよいと思っていて、記事を書くつもりではなかったのですが、グーグルで検索をしても実際に飼育していないような方がサラッと書いた記事しか検索結果の上位に出てこないのは様々な問題が起きる可能性を高めると思ったのでできるかぎり書いてみました。

もちろん人によって考え方や飼い方は違いますので、参考程度にお願いします。可能であればインターネットだけでの情報収取は避け、書籍をみたり実際の店舗に赴いて色々聞くのが良いと思います。

最後に

タランチュラについて簡単にまとめてみました。もっと詳しくしりたかったり、いろんな種類が見たいという方は節足動物ビジュアルガイド タランチュラ&サソリという本を買いましょう。解説・写真が充実しているので見るだけでも楽しいです。

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