ヒラタクワガタの飼い方:産卵・幼虫飼育など繁殖のさせ方について

ヒラタクワガタ 成虫

ヒラタクワガタ 成虫

ヒラタクワガタの入手

野外でヒラタクワガタを採集する

地域にもよりますが、ヒラタクワガタは5月の初めごろから野外で活動をはじめます。基本的には昼間のうちに樹液が出る木をみつけて、夜に見回ります。木のうろや樹皮の隙間に隠れていることが多いので、慣れないうちは発見が難しいかもしれません。

 

店舗・通販で購入する

専門店やホームセンターなどで販売されている飼育品を購入することが最も確実な入手方法です。販売価格は小型のペアだと1千円程度、大きなペアだと5千円~で販売されています。インターネットで通販でも販売している専門店もありますので、入手難易度は低いです。

 

ヒラタクワガタの成虫飼育

飼育ケース内の画像

紹介した道具をこの画像のようにセットして、ヒラタクワガタを飼育しています。転倒してもエサ皿と材片が設置されているので、自力で起き上がることが可能です。霧吹きの頻度は週に1回くらいです。マットの状態は手で軽く握って、ダマになり突くと崩れるくらいの湿度が理想です。

 

基本的に1つのケースに1匹だけ入れるようにします。どうしても多頭飼育したい場合は以下の記事を見てください。

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飼育ケースは、太陽の光が直接当たる場所には絶対に置かないようにします。頑丈なヒラタクワガタでも太陽熱には敵いません。1日もしないうちに死亡してしまいます。家の外に置く場合は、雨で濡れるような場所は避けてください。厳密な温度管理をしない環境でヒラタクワガタを飼育するときは、靴箱の中や床下などに置くのがオススメです。

 

ヒラタクワガタの管理温度

温度管理ができなくても夏場は風通しの良い日陰においておけば問題なく乗り越えることができました。春ごろから繁殖を始めるようにすれば幼虫も得やすくなると思います。

 

ヒラタクワガタの交配

ヒラタクワガタを繁殖させる場合、交尾させる必要があります。この時に使うペアは、雄雌ともに十分に成熟した個体を選びます。寿命が長いクワガタムシなので、羽化して半年近く経過したペアが理想です。

 

交尾をさせる1カ月ほど前からは、雌雄ともに昆虫専用の高タンパクゼリーを与えるようにします。特に雌には高栄養・高タンパクの餌を与えます。オススメのゼリーは以下の記事で紹介しています。

昆虫ゼリーおすすめ銘柄ランキング5選

 

ヒラタクワガタの性質はその気性の荒さから、同種の雌に対しても攻撃をし、最悪の場合だと挟み殺してしまうことがあります。雌殺しを防ぐために隠れ家を複数用意し、餌を切らさないように注意が必要です。

 

がぞう

 

私はこの画像のようにセットして、ヒラタクワガタを交配させています。交配の期間はだいたい1週間程度設けていますが、2回交尾している場面を見たら引き離します。長くなりすぎると雄が雌を殺してしまう事故が起きてしまいます。

 

餌皿は雌雄の出会いの場になるのでほぼ必須と言ってもよいでしょう。使用するエサ皿は18gのゼリーを2個収めることができる大きめの物がよいと思います。

 

ケースの開いたスペースには転倒防止材を置いておきます。万が一雄が雌を攻撃してきた場合に隠れ家としても利用することができます。

 

交配用のケースはなるべく静かで暗い場所に置きます。なるべくそっとしておいて、気になった時に交尾しているか確認します。

 

交配期間の温度は25℃もあれば十分です。温度管理ができない方は地域にもよりますが4・5・6月ごろが丁度よい温度帯になっていると思います。

 

ヒラタクワガタの産卵セット方法

交尾がすんだら産卵セットを作成します。ここではスタンダードな方法を紹介します。用意する物は直径10cm程度の産卵木と発酵マット、転倒防止材、餌用のゼリーです。

 

まず、クヌギやコナラ、レイシ材などの産卵僕を水に6時間程度沈めて加水し、加水が終わったら6時間表面を乾かすために陰干しします。干している時に樹皮も向いてしまいます。

 

産卵木の用意が完了したら、中ケース以上の大きさの飼育容器に発酵マットを入れ、ケースの底から5cm程かなり固めに詰めます。固めたマットの上に用意した産卵木を寝かせて、発酵マットで見えなくなるまでふんわりと埋め込みます。私は、動かないように木の周りのマットだけは指などでつめるようにしています。

 

最後にケースを地面にたたいて表面を自然に均し、ゼリーをいくつかと転倒防止材をいれて産卵セットは完成です。

 

産卵セットを組んで3週間~1カ月程度経過したら雌を取り出します。取り出す理由は雌がせっかく産卵した卵・幼虫を踏み潰してしまうことを防ぐためです。

 

順調に産卵が行われていれば雌を取り出して2~3週間程度で卵が孵化し、幼虫がケースの底面・側面から確認できる場合があります。この期間を設けることで、割出時に卵がでてくる可能性を下げます。

 

ヒラタクワガタの産卵セットの割出

 

画像のように、ケースの外から幼虫が確認できていれば安心して割出を行えます。

 

割出の時に用意する物は、ケースをひっくり返す用のタライかトレー(新聞紙でも大丈夫です)、スプーン、800ccの菌糸ビンまたは一時保管用の菌糸プリンカップ(マットでも可)、産卵木を割るための道具(マイナスドライバーやナタ)、割り出し中の幼虫を整理するための小分けケースです。

 

取り出す幼虫はまだ非常に小さいため、傷をつけないように丁寧に作業します。ヒラタクワガタは発酵マットの中と産卵木中に卵を産み付けます。たとえ木に産卵されていても孵化した幼虫がマットに移動することがあるため、まずは敷いていたマットに幼虫が混じっていないか確認します。

 

産卵木はナタやマイナスドライバーなどで少しずつ表面を削るようにして細かくしていき、幼虫を取り出します。産卵木は手でも簡単に割れることもありますが、調子に乗って幼虫を潰しやすくなるので、やはりドライバーを使って慎重に割っていくことをお勧めします。

 

虫が木を食べると道のようなものができるのですが、それを食痕といいます。食痕の先に小さな幼虫がいることが多いので、それを発見したらより注意していく必要があります。幼虫を見つけて別の容器へうつすときは、雑菌対策のために素手で行わずにスプーンなどを使います。

 

飼育数と幼虫の状態を把握するために、一時的に仕切りのある小分け容器に幼虫を入れておきます。仮に傷つけてしまった幼虫からは体液が出てきますので分けておきます。傷つけてしまった幼虫は羽化まで育つ可能性が低いので、菌糸には入れず、マットで保管します。

 

用意していた菌糸ビン・プリンカップの数が足りなくなったら、取り出した産卵セットのマットと産卵木の材片はまた同じケースに戻して一時的に保管します。幼虫に与える餌が確保できたらなるべく早めに割り出すようにします。

 

ヒラタクワガタの幼虫飼育

幼虫飼育は大きなヒラタクワガタを羽化させるための大事な段階です。ヒラタクワガタの幼虫は菌糸ビン・発酵マット・材飼育の3通りの方法で育てることが可能です。

 

発酵マットでも大きな成虫を羽化させることが可能ですが、ここでは手軽な菌糸ビンを使用した飼育方法を紹介します。

 

私は1本目のビンは800ccか1100ccに入れています。3カ月経過するか、幼虫がビンの半分以上を食いあがってくると2本目に交換します。

 

2本目は雄は1400ccか2000cc、雌は800ccのビンに入れます。雌は2本目の800ccでも問題なく羽化まで持っていくことができます。雄は800ccのビンだと手狭なので大きなものに移しています。菌糸の半分以上を食い尽くすか、3カ月経過したら3本目のビンに交換します。

 

ヒラタクワガタの幼虫は3令後期になると菌糸ビンの中を激しく移動することが多いです。恐らく蛹になるための場所を探しているか、好みの蛹室を作るために固い部分を柔らかくするために行っていると私は考えています。

 

とりあえず蛹になる前に暴れます。

そういうものです。この段階は蛹になるために必要な当然の行動をしているにすぎないと受け止めます。この暴れさえ発生しなければより大きな成虫を羽化させることができるので、抑える方法を見つけたいというのが本音です。

 

この暴れが発生しても大抵は無視しても大丈夫です。

 

しかし暴れがあまりにも酷い場合、幼虫が体力を消耗し体重が軽くなる事もあります。せっかく大きくしたのに小さくなるのは悲しいですよね。

 

暴れられた時の対応策として、私は発酵マットに移し替えを行っています。菌糸ビンよりも柔らかいマットに移し替える事で、蛹室を作り易くしてあげるわけです。そのまま放置して蛹部屋を作らせた個体より大きくなることが多いので、期待している幼虫には必ず行っています。

 

ヒラタクワガタの蛹化

ヒラタクワガタの幼虫は雌雄ともに水平に蛹室を作ります。

蛹室を作った後は、温度変化が少なく振動のない環境で保管します。

 

容器の底がみえるように蛹室を作った場合は蛹化不全や羽化不全の原因となるので、容器をひっくり返して対応します。蛹室の状態がぬかるんでいたり、崩れそうであれば掘り出して人工蛹室に移します。

 

ヒラタクワガタの羽化・羽化後の管理

ヒラタクワガタが蛹から羽化してきたら、できるだけ高温を避け20℃‐25℃程度で管理することが理想です。飼育ケースにマットを厚めに敷いて、その上にティッシュを2,3枚折りたたんで入れて管理します。ティッシュを入れることで転倒防止、ぼろぼろになってきたら活動開始時の目安になります。活動を開始するまでは餌を食べないのでゼリーを入れる必要はありません。

 

この時期はデリケートなので、最低でも羽化して1カ月はなるべく手で去ったり、刺激を与えないようにします。大切なのは不必要な振動や衝撃を与えないことと、湿度を高めに保つことです。特に羽化直後は乾燥に非常に弱いので、マットが乾いてきたら霧吹きで加湿してあげます。

 

羽化して2カ月ほど経過すると、ケースの中を徘徊するようになり、餌を食べるようになります。ゼリーを食べるようになってきた後は、先に紹介している成虫の飼育方法と同じように管理しても大丈夫です。

 

以上、私が日ごろヒラタクワガタのなかまの飼育で行っていること、考えていることをとりとめもなく書いてみました。少しでも参考になることがあったなら幸いです。

 

※画像は綺麗な物が撮影でき次第掲載します。

7月の末には完成予定です。

 

この記事で飼育記録をアップしています。

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